化粧品を購入する際に役立つのが全成分表示です。全成分表示の見方を知っておくとより自分に合った化粧品を購入することができると考えられます。今回は化粧品選びに役立つ全成分表示の見方のポイントについて解説していきます。
化粧品の全成分表示の見方のポイント
化粧品の全成分表示は配合率が多い順に記載されています。
配合率が1%以下の成分は順不同で記載されています。
配合率の多い成分は製品に影響を与えますが、配合率が1%以下の成分は良くも悪くもあまり影響を与えません。
そのため、配合率1%以下のラインを見極めることができればより自分に合った化粧品を選ぶことができると考えられます。
配合率1%以下を見極める指標となる成分は植物性エキスなどの機能性成分、防腐剤などの安定化成分、香料などです。
シャンプーの全成分表示の見方のポイント
シャンプーの全成分表示の見方のポイントは、アニオン界面活性剤の種類、ヘアコンディショニング剤、配合率1%以下のラインです。
シャンプーでは主にアニオン界面活性剤が汗や皮脂などの油汚れを落とす機能を担っています。
アニオン界面活性剤の種類でシャンプーの洗浄力をある程度見極めることができます。
ヘアコンディショニング剤の有無や配合率は使用感に関わってきます。
シャンプーの全成分表示の見方は以下の通りです。
水、コカミドプロピルベタイン、ココイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルアラニンNa、ココイル加水分解コラーゲンK、ビワ葉エキス、ダイズ種子エキス、マテチャ葉エキス、アルガニアスピノサ核油、マカデミア種子油、アボカド油、グリセリン、プロパンジオール、DPG、BG、尿素、コカミドMEA、ポリクオタニウム-10、EDTA-2Na、クエン酸、メチルパラベン、フェノキシエタノール、香料
アニオン界面活性剤は のマーカーで示した成分です。
アニオン界面活性剤の洗浄力の強さは硫酸系>スルホン酸系>石鹸系>カルボン酸系>アミノ酸系です。
ココイルメチルタウリンNa:アミノ酸系アニオン界面活性剤
ラウロイルメチルアラニンNa:アミノ酸系アニオン界面活性剤
ココイル加水分解コラーゲンK:アミノ酸系アニオン界面活性剤
上記のシャンプーの主な洗浄成分はアミノ酸系アニオン界面活性剤であることから、肌に優しいシャンプーだと考えられます。
硫酸系の洗浄成分はラウレス硫酸Na、スルホン酸系の洗浄成分はオレフィン(C14-16)スルホン酸、石鹸系の洗浄成分はカリ石けん素地、カルボン酸系の洗浄成分はラウレス-4カルボン酸Naなどが挙げられます。
ヘアコンディショニング剤は のマーカーで示した成分です。
上記のシャンプーはヘアコンディショニング剤が配合されているため、シャンプー時の指通りが良いと考えられます。
配合率1%以下の成分は のマーカーで示した成分です。
シャンプーについてはシャンプーの作り方を知ってシャンプー選びの悩みを解消という記事で詳しく書いています。
トリートメントの全成分表示の見方のポイント
トリートメントの全成分表示の見方のポイントは、カチオン界面活性剤、ヘアコンディショニング剤、コーティング剤、配合率1%以下のラインです。
トリートメントはカチオン界面活性剤の性質によってヘアコンディショニング剤、コーティング剤などが髪に吸着することで髪を補修する効果があります。
トリートメントの全成分表示の見方は以下の通りです。
水、セタノール、ジメチコン、ベヘントリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、グリセリン、BG、グルタミン酸、ステアリン酸PEG-55、アルギニン、ステアリルアルコール、ツバキ種子油、ホホバ種子油、加水分解ケラチン、トコフェロール、フェノキシエタノール、安息香酸Na、香料
カチオン界面活性剤は のマーカーで示した成分です。
ヘアコンディショニング剤は のマーカーで示した成分です。
コーティング剤は のマーカーで示した成分です。
配合率1%以下の成分は のマーカーで示した成分です。
トリートメントについてはトリートメントの作り方から考察するトリートメントの効果という記事で詳しく書いています。
洗顔料の全成分表示の見方のポイント
洗顔料の全成分表示の見方のポイントは洗浄成分、泡質改善剤、配合率1%以下のラインです。
洗顔料の洗浄成分は主に石鹸系アニオン界面活性剤、カルボン酸系アニオン界面活性剤、アミノ酸系アニオン界面活性剤に分けられます。
洗顔料の洗浄力の強さは石鹸系>カルボン酸系>アミノ酸系です。
泡質改善剤は泡立ちの良さに関わってきます。
洗顔料の全成分表示の見方は以下の通りです。
水、グリセリン、ミリスチン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、水酸化K、ステアリン酸、マルチトール、デシルグルコシド、モモ葉エキス、ポリクオタニウム-7、BG、DPG、セルロースガム
洗浄成分は のマーカーで示した成分です。
高級脂肪酸(ミリスチン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸)と水酸化Kの中和反応によって洗顔料の主成分である石鹸が作られます。
上記の洗顔料の主な洗浄成分は石鹸(ミリスチン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸+水酸化K)であることから、洗浄力は中程度だと考えられます。
泡質改善剤は のマーカーで示した成分です。
配合率1%以下の成分は のマーカーで示した成分です。
洗顔料については洗顔料の種類と特徴という記事で詳しく書いています。
クレンジングの全成分表示の見方のポイント
クレンジングの全成分表示の見方のポイントは、クレンジングの洗浄力、配合率1%以下のラインです。
クレンジングの洗浄成分には溶剤型と界面活性剤型があります。
溶剤型は油で化粧(油性成分)を落とす仕組みです。
界面活性剤型は界面活性剤で化粧(油性成分)を落とす仕組みです。
クレンジングの洗浄力は溶剤型>界面活性剤型です。
クレンジングには、オイル系、クリーム系、ミルク系、リキッド・ジェル系、ローション系などがあり、洗浄力、摩擦力に違いがあります。
クレンジングの洗浄力はオイル系>クリーム系>ミルク系、リキッド・ジェル系>ローション系です。
クレンジングの全成分表示の見方は以下の通りです。
パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジカプリン酸ポリグリセリル-6、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ジオレイン酸ポリグリセリル-10、香料、サリチル酸、水、BG、トコフェロール、ゲラニオール、リモネン、クエン酸、ステアリン酸グリセリル、加水分解コメエキス
洗浄成分は のマーカーで示した成分です。
上記のクレンジングは溶剤型のオイル系クレンジングです。
クレンジングに使用される油性成分として、炭化水素、シリコン、エステル、油脂、高級アルコール、高級脂肪酸などが挙げられます。
洗浄力の強さは炭化水素>シリコン>エステル>油脂>高級アルコール>高級脂肪酸です。
パルミチン酸エチルヘキシル:エステル
ミリスチン酸イソプロピル:エステル
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル:エステル
上記のクレンジングの主な洗浄成分はエステルであることから、洗浄力は上の中程度だと考えられます。
洗浄補助剤は のマーカーで示した成分です。
配合率1%以下の成分は のマーカーで示した成分です。
クレンジングについてはクレンジングの種類と特徴という記事で詳しく書いています。
クリームの全成分表示の見方のポイント
クリームの全成分表示の見方のポイントは、保湿成分、油性成分、配合率1%以下のラインです。
クリームには保湿成分と油性成分が配合されているため、保湿効果とエモリエント効果があります。
保湿効果は保湿成分が肌の水分と結合することで水分の蒸発を防ぐ効果です。
エモリエント効果は油性成分が肌をコーティングすることで水分の蒸発を防ぐ効果です。
クリームの全成分表示の見方は以下の通りです。
水、グリセリン、BG、セタノール、エチルヘキサン酸セチル、ステアリン酸、アロエベラエキス-1、クロレラエキス、ミネラルオイル、シア脂、ベヘニルアルコール、ステアリン酸グリセリル、EDTA-2Na、メチルパラベン、フェノキシエタノール
保湿成分は のマーカーで示した成分です。
油性成分は のマーカーで示した成分です。
配合率1%以下の成分は のマーカーで示した成分です。
クリームについてはスキンクリームの保湿効果とエモリエント効果についてという記事で詳しく書いています。
化粧水の全成分表示の見方のポイント
化粧水の全成分表示の見方のポイントは、保湿成分の種類と配合量、配合率1%以下のラインです。
肌の水分量は年齢を重ねるごとに減少していきます。そのため、化粧水などで肌の水分量を補う必要があると考えられます。
肌に水だけをつけても蒸発してしまうため、化粧水には水分を保持するために保湿成分が多く配合されています。
保湿成分が水と結合することで水の蒸発を防ぎ保湿することができます。
化粧品の全成分表示の見方は以下の通りです。
水、BG、ペンチレングリコール、DPG、グリセリン、ヒアルロン酸Na、トレハロース、ソルビトール、PEG-32、クエン酸、カルボマー、EDTA-2Na、キサンタンガム、フェノキシエタノール
保湿成分は のマーカーで示した成分です。
配合率1%以下の成分は のマーカーで示した成分です。
化粧水については保湿効果の高い化粧水の選び方という記事で詳しく書いています。
美容液の全成分表示の見方のポイント
美容液の全成分表示の見方のポイントは、美容成分の種類と配合量、配合率1%以下のラインです。
美容液は肌の悩みを予防するための美容成分が多く配合された化粧品です。
美容液の種類として、保湿美容液、美白美容液、エイジングケア美容液などが挙げられます。
美容液の全成分表示の見方は以下の通りです。
水、グリセリン、ナイアシンアミド、BG、スクワラン、メドウフォーム油、グリセリン、アスコルビルグルコシド、ヒアルロン酸Na、水添レシチン、トレハロース、ポリソルベート-60、イソステアリン酸ソルビタン、トコフェロール、フェノキシエタノール
上記の美容液は保湿美容液、エイジングケア美容液です。
保湿成分は のマーカーで示した成分です。
油性成分は のマーカーで示したです。
配合率1%以下の成分は のマーカーで示した成分です。
美容液については美容液の種類と特徴という記事で詳しく書いています。
乳液の全成分表示の見方のポイント
乳液の全成分表示の見方のポイントは、保湿成分、油性成分、配合率1%以下のラインです。
乳液には保湿成分と油性成分が配合されているため、保湿効果とエモリエント効果があります。
保湿効果は保湿成分が肌の水分と結合することで水分の蒸発を防ぐ効果です。
エモリエント効果は油性成分が肌をコーティングすることで水分の蒸発を防ぐ効果です。
乳液とクリームの違いは乳液は水性成分が多めでクリームは油性成分が多めであることです。
乳液の全成分表示の見方は以下の通りです。
水、グリセリン、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、DPG、BG、スクワラン、カルボマー、水添レシチン、フェノキシエタノール、キサンタンガム、水酸化K、アルギニン、グリチルリチン酸2K、エチルヘキシルグリセリン、ヒアルロン酸Na、カプリル酸グリセリル、アラニン、グリシン、トレオニン、バリン、ロイシン、トコフェロール
保湿成分は のマーカーで示した成分です。
油性成分は のマーカーで示した成分です。
配合率1%以下の成分は のマーカーで示した成分です。
乳液については乳液とクリームの特徴と使い分けという記事で詳しく書いています。