シャンプーを選ぶ際の悩みとして、自分に合ったシャンプーが見つからないという人は多いのではないでしょうか。自分に合ったシャンプーが見つからないとシャンプーはどのように作られているのか疑問に思う人もいると思います。今回はシャンプー選びの悩みを解消するためにシャンプーの作り方について考えていきます。
シャンプーの作り方を知ってシャンプー選びの悩みを解消
シャンプーの設計図は以下の通りです。
シャンプーの製造工程は以下の通りです。
シャンプーの作り方の解説
シャンプーの設計図A、Bの解説
アニオン界面活性剤は水に溶けた時に親水基がマイナスにイオン化する界面活性剤です。
主にアニオン界面活性剤がシャンプーの汗や皮脂などの油を落とす機能を担っています。
シャンプーで油を落とす仕組みについてはシャンプーの仕組みと洗浄力についてという記事で詳しく書いています。
シャンプーの主な機能はアニオン界面活性剤が担っていることから、シャンプーを選ぶ際はアニオン界面活性剤に注目して選ぶと自分に合ったシャンプーを選べるようになると考えられます。
アニオン界面活性剤は硫酸系、スルホン酸系、石鹸系、カルボン酸系、アミノ酸系があります。
有名なアニオン界面活性剤として硫酸系のラウリル硫酸Na、スルホン酸系のオレフィン(C14-16)スルホン酸Na、石鹸系のカリ石けん素地、カルボン酸系のラウレス-4カルボン酸Na、アミノ酸系のココイルグルタミン酸Naなどが挙げられます。
洗浄力の強さは硫酸系>スルホン酸系>石鹸系>カルボン酸系>アミノ酸系です。
両性界面活性剤は主に洗浄剤、起泡剤として配合されることが多いです。
有名な両性界面活性剤としてコカミドプロピルベタインなどが挙げられます。
複数の界面活性剤を使用することで洗浄力や泡立ちをある程度コントロールすることができます。
界面活性剤の種類と特徴については界面活性剤の種類と危険性についてという記事で詳しく書いています。
保湿剤としてはグリセリン、DPGなどがよく配合されます。
pH調整剤はクエン酸などが挙げられます。
キレート剤は洗浄力を低下させる原因となる金属イオンを無力化する役割で配合されています。
キレート剤としてはEDTA-2Naなどが挙げられます。
防腐剤はメチルパラベン、フェノキシエタノールなどが良く配合されています。
防腐剤については防腐剤フリー化粧品の防腐方法という記事で詳しく書いています。
ヘアコンディショニング剤はポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10などが挙げられます。
ヘアコンディショニング剤についてはシャンプーとボディソープの違いとは?という記事で詳しく書いています。
増粘剤としてはヒドロキシエチルセルロースがよく配合されています。
増粘剤はシャンプーの使用感や安定性を向上させる役割があります。
シャンプーの設計図A、Bに配合されている成分の中には加熱、撹拌しないと溶けないものや混ざらないものがあるため、基本的には加熱、撹拌によって均一分散させる作り方がなされています。
また、油性成分は油性成分同士、水性成分は水性成分同士など溶けやすい原料同士で均一分散した後に、撹拌力を高めて混合することでより均一に混ぜることができます。
シャンプーの設計図C、Dの解説
高温だと香料が飛んでしまうため、冷却後に香料を加入します。
シャンプーの設計図Cは香料をシャンプーに混ぜるための工程です。
シャンプーに混ぜるために香料を非イオン界面活性剤などに溶かす工程を可溶化といいます。
香料は可溶化しないと均一に混ざらない場合があるため、香料を加入する際は可溶化という工程が必要になります。
シャンプーの設計図Cにおける非イオン界面活性剤は可溶化剤としての役割があります。
有名な非イオン界面活性剤としてコカミドMEAなどが挙げられます。
シャンプーの設計図Aにも非イオン界面活性剤がありますがこちらは洗浄剤、起泡剤として配合されています。
シャンプーの設計図Dの冷却後の最後の工程で加入する機能性成分は1%以下の微量配合である場合が多いです。
化粧品には全成分表示がされているため、シャンプーの作り方や配合成分について理解を深めることで自分に合ったシャンプーを購入できると考えられます。