多くの人は普段シャンプーを使用していると思います。一方で、シャンプーをする目的や洗浄力について考えたことはあるでしょうか?今回はシャンプーについて考えていきたいと思います。
シャンプーについて
シャンプーをする目的としてほこりなどの汚れを落とすためだと考えている人は多いと思います。
一方で、実際にはほこりなどの汚れの9割は水で落とすことができるようです。
では、何のためにシャンプーをするのかというと、汗や皮脂などの油汚れを落とすのが目的だと考えられます。
何で油汚れを落とす必要があるのかというと皮脂量を調節するためだと考えられます。
肌のpHと常在菌という記事で詳しく書いていますが、人の肌は常在菌によって弱酸性に保たれており、それによって肌の調子が整えられています。
皮脂量が調節されていることは常在菌が肌の調子を整えるための重要な要因なのです。
シャンプーは皮脂などの水では落ちない油汚れを落とし皮脂量を調節して肌のコンディションを整えるのが目的ですが、皮脂は落とし過ぎてしまうとかえって肌の調子を悪くしてしまうそうです。
そのため、シャンプーの仕組みや洗浄力について知っておくことで、より自分の肌にあったシャンプーを使用することができると考えられます。
シャンプーの仕組みと洗浄力
シャンプーで油汚れを落とす仕組みには水と油の性質を持つアニオン界面活性剤が使われています。
アニオン界面活性剤は水に溶けた時に親水基がマイナスにイオン化する界面活性剤です。
アニオン界面活性剤は以下の図のように親水基と親油基でできています。
親水基は水とくっつく性質を持っています。
親油基は油とくっつく性質を持っています。
親油基が油汚れとくっつき肌からとっていきます。
その後、上の図のように油汚れの周りにアニオン界面活性剤の親油基がくっつき、外側に親水基が向いているミセルの状態になります。
そこにシャワーで水をかけると親水基と水がくっついて油汚れが落ちる仕組みになっています。
シャンプーの洗浄成分は主に、硫酸系アニオン界面活性剤、スルホン酸系アニオン界面活性剤、石鹸系アニオン界面活性剤、カルボン酸系アニオン界面活性剤、アミノ酸系アニオン界面活性剤が使用されています。
ボディソープの洗浄力の違いについてという記事で詳しく書いていますが、洗浄力が高いアニオン界面活性剤は親油基の炭素数が多く、親水基の酸性度が高い特徴があります。
シャンプーの洗浄力の強さは、硫酸系>スルホン酸系>石鹸系>カルボン酸系>アミノ酸系です。
洗浄力の強いものから弱いものまで様々なシャンプーが販売されていますが、洗浄力の強さを意識せずに購入している人も多いのではないでしょうか。
肌の強さは人それぞれであり、また同じ人でも年齢によって違ってくるので、肌に合わないシャンプーを使っていると徐々に肌が荒れてくる場合があります。
また、肌に合わないシャンプーを使っていると徐々に肌荒れを起こすため変化に気付きにくく、気が付いたら肌が荒れてしまっている場合、そもそもシャンプーが原因だと認識することも難しくなってきます。
シャンプーを選ぶ際は、使われている洗浄料によって洗浄力が違うということを意識することで、より自分の肌にあったシャンプーを使用することができると考えられます。