エイジングケアという言葉を聞いたことがあると思います。加齢とともに肌の状態が変化して行くためそれに伴って肌トラブルが起こることがあります。そのため、エイジングケア化粧品などを使用している人もいるのではないでしょうか。
抗シワ
肌のハリは真皮の線維芽細胞が産生するコラーゲン繊維、エラスチン繊維、ヒアルロン酸によって保たれています。
シワには段階があり第一段階は小じわ、第二段階は深いシワです。
第一段階の小じわは主に表皮の乾燥が原因であるため、表皮を保湿することが重要であります。
小じわの予防に役立つ成分としてセラミド、ヒアルロン酸、グリセリンなどの保湿成分やスクワラン、ワセリンなどのエモリエント成分が挙げられます。
第二段階の深いシワは真皮性のシワでありコラーゲン繊維やエラスチン繊維が減少することが原因であるため、真皮のコラーゲン繊維やエラスチン繊維を修復することが重要であると考えられます。
一方で、化粧品の成分は基本的に表皮の角質層まで浸透すると言われており、分子量の大きいコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸は真皮まで届かないと考えられます。
そのため、深いシワの予防に役立つ化粧品の成分として、線維芽細胞、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の産生を促進する成分が挙げられます。
深いシワの予防に役立つ成分
レチノール:コラーゲン繊維やエラスチン繊維の生成を促進
ナイアシンアミド:線維芽細胞に働きかけコラーゲン繊維の生成を促進
また、紫外線、酸化、糖化などによって線維芽細胞、コラーゲン、エラスチンがダメージを受けるとシワに繋がります。
そのため、紫外線対策、抗酸化対策、抗糖化対策などによってシワを予防することができると考えられます。
抗老化
幹細胞
肌には幹細胞という肌の生まれ変わりを促進する細胞があり、表皮には表皮幹細胞、真皮には真皮幹細胞が存在します。
表皮幹細胞は表皮細胞を生み出し、肌のターンオーバーを正常に保つために重要な役割を持ちます。
真皮幹細胞はコラーゲン繊維やエラスチン繊維、ヒアルロン酸を生成する線維芽細胞を生み出す重要な役割を持ちます。
加齢によって肌のターンオーバーが衰えたり、真皮のコラーゲン繊維やエラスチン繊維、ヒアルロン酸が減少します。
そのため、抗老化対策には表皮幹細胞や真皮幹細胞に働きかけることで肌のターンオーバーを正常にすることや、コラーゲン繊維やエラスチン繊維、ヒアルロン酸の生成を促進することが重要だと考えられます。
効果的な成分として幹細胞培養液があげられます。
幹細胞培養液にはヒト由来、植物由来のものがあり、ヒト幹細胞順化培養液やリンゴ果実細胞培養エキスなどがあります。
GF(グロースファクター)
GFは細胞の増殖を正常化する働きを持つ成分です。
EGF(上皮細胞増殖因子):肌のターンオーバーを正常化します。
FGF(線維芽細胞増殖因子):線維芽細胞を増やす働きがあります。
KGF(毛母細胞増殖因子):毛母細胞に作用し強い髪をつくる手助けをします。
抗酸化
肌が酸化すると本来の機能を失い肌トラブルの原因となります。
細胞膜はリン脂質によって構成されており、リン脂質はリン酸と脂肪酸でできています。
そのため、反応性の高い活性酸素によって肌が酸化されるとリン脂質の脂肪酸が酸化されて過酸化脂質となり細胞膜が破壊されてしまうことで肌トラブルに繋がります。
効果的な成分
ビタミンE誘導体:活性酸素を消去し、油分や皮脂の酸化を防止します。
フラーレン:活性酸素を取り込んで消去します。
ユビキノン:抗加齢作用をもち、高い抗酸化力があります。
アスタキサンチン:シワの原因となる一重項酸素を抑制します。
白金:11種類ある活性酸素すべてに抗酸化作用があります。また白金は酸化されないため半永久的に抗酸化作用があります。
抗糖化
過剰に摂取した糖がタンパク質と結合し最終糖化物質になるとシワやくすみの原因となります。
効果的な成分として月桃葉エキス、ドクダミエキス、ウメ果実エキスなどがあげられます。
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