日本人はナトリウムを採り過ぎている傾向にあると言われています。ナトリウムは主に食塩から摂取されますが、ナトリウムの過剰摂取は高血圧や胃がん、脳梗塞や心筋梗塞などの原因となります。
また、人間が生命活動を維持するには身体の体液の浸透圧が調節されている必要があります。そして、その体液の浸透圧を調節する役割を担っているのがカリウムとナトリウムです。
そこで、カリウムとナトリウムの役割、カリウムの摂取による高血圧の予防などについて話していきたいと思います。
カリウムとナトリウムによる浸透圧の維持
細胞内にはカリウムが多く存在し、細胞外にはナトリウムが多く存在しており、カリウムとナトリウムは体内で一定のバランスを保つことで浸透圧を維持しています。
細胞内にナトリウムが過剰に入ってくると細胞外にナトリウムを排出し、同時に細胞外のカリウムを細胞内に取り入れることで細胞内外のミネラルバランスを調節しています。
このような細胞膜でのカリウムとナトリウムによるミネラルバランスの調節の仕組みをナトリウム・カリウムポンプと言います。
カリウムの摂取による高血圧の予防
先ほども話したように日本人はナトリウムを採り過ぎている傾向にあり、ナトリウムの過剰摂取は高血圧の原因となります。
一方で、カリウムはナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制し、カリウムが尿へ排泄される際にナトリウムも一緒に尿へ排泄させる働きがあります。
そのため、カリウムを摂取することによりナトリウムの過剰摂取による高血圧を予防することができます。
カリウムとナトリウムの役割
カリウムとナトリウムは細胞内外の浸透圧の調節の他にも、血圧の調節、水分の維持、神経の情報伝達や筋肉の収縮を助ける役割を持っています。
また、カリウムには細胞内の酵素反応を調節する働きがあり、酵素反応がスムーズに行われる環境を整えることにより、人間が生命活動を行うために必要なエネルギー源の生産を助けます。
カリウムを多く含む食品
カリウムはあらゆる食品に豊富に含まれていますが特に、大豆や小豆などの豆類、サツマイモや里芋などのいも、昆布やワカメなどの海藻類、ほうれん草、アボカドなどに多く含まれています。
また、カリウムは熱によって水に溶けだす性質があるため、食品を煮込んだ料理などは汁ごと食べることでカリウムを効率良く摂取することができると考えられます。
現代の食生活ではつい塩分を多くとってしまいがちですが、ナトリウムの過剰摂取は高血圧や胃がん、脳梗塞や心筋梗塞などの原因につながる為、食生活を見直して減塩することや、塩分が少なくとも美味しい料理を作る工夫などが必要なのではないでしょうか。