髪の構造について

髪の構造について

髪の構造を理解することはヘアケアに関する悩みを解決する上でとても重要だと考えられます。今回は髪の構造について書いていきます。

髪の成り立ち

髪は頭皮の外に出ている毛髪伸長領域と皮膚の内部にある毛包内領域に分けられます。

毛乳頭

私たちが一般的に髪と認識している部分は毛髪伸長領域です。

一方で、髪の成長を担っている部分は毛包内領域の毛乳頭です。

毛乳頭では髪の成長に必要な栄養分が毛細血管から毛母細胞に送られ、毛母細胞が増殖することで髪となり伸びてきます。

髪の構造

髪はキューティクル、コルテックス、メデュラの3層からできています。

髪

キューティクル

キューティクルは髪の最も外側にあるうろこ状の物質です。

キューティクルは厚さ0.005㎜程の薄さで4~10枚重なった構造をしており、髪の内部ほ保護する役割があります。

キューティクルの表面は18-MEA(18-メチルエイコサン酸)と呼ばれる脂質で覆われています。

健康な髪
18-MEA

18-MEAは髪の疎水化と髪を摩擦から保護する役割があります。

また、キューティクル同士はCMC(細胞膜複合体)によって接着されています。

CMC(細胞膜複合体)
CMC(細胞膜複合体)

CMC(細胞膜複合体)はキューティクルが剝がれるのを防止する役割、水分やタンパク質を保持する役割があります。

コルテックス

コルテックスは髪の約85%を占めるケラチンタンパク質の集合群です。

コルテックス

コルテックスのタンパク質や脂質の構造、水分量が髪の柔軟性や太さに関係しています。

コルテックスの量が多いと髪は太くなり、コルテックスの量が少ないと髪は細くなります。

コルテックス同士はCMC(細胞膜複合体)によって接着されています。

また、コルテックス細胞はマクロフィブリル、間充物質、メラニンで構成されています。

コルテックス細胞
コルテックス細胞の構造

さらに、マクロフィブリルは複数のミクロフィブリルとマトリックスタンパク質で構成されています。

マクロフィブリル
マクロフィブリルの構造

ミクロフィブリルは髪の最小単位であるアミノ酸が結合してできたポリペプチド鎖が束になった繊維状のケラチンタンパク質です。

メデュラ

メデュラは髪の中心にある多数の小さな穴が空いた構造の組織です。

メデュラ内部の空間が多いと光の散乱が多くなり髪がより白く見えます。一方で、メデュラ内部の空間が少ないと光の散乱は少なくなり髪がより黒く見えます。

髪の成分

髪はタンパク質(約80~90%)、水分(約11~13%)、脂質(約1~6%)、メラニン(約3%)で構成されています。

髪の成分
髪の構成成分

髪の大部分を構成するタンパク質はケラチンタンパク質(複数のアミノ酸が結合してできたタンパク質)が約90%、非ケラチンタンパク質が約10%で構成されています。

アミノ酸は一つの分子内にアミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)を持つ化合物であり、以下の図に示す一般式で表されます。

アミノ酸
アミノ酸

アミノ酸は側鎖(R)の分子構造の形状の違いによって分類されます。

分子内にアミノ基(-NH2)を多く持つアミノ酸は塩基性アミノ酸、カルボキシル基(-COOH)を多く持つアミノ酸は酸性アミノ酸、アミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)の数が等しいアミノ酸は中性アミノ酸です。

髪のケラチンタンパク質は18種類のアミノ酸で構成されています。

毛髪 アミノ酸組成
ケラチンタンパク質のアミノ酸の含有率

髪のケラチンタンパク質は酸性アミノ酸の含有率が高いため、髪のpHは弱酸性を示します。

髪の結合

髪の大部分を構成するはケラチンタンパク質は複数のアミノ酸が4つの結合によって繋がってできています。

髪 結合
髪の結合

ペプチド結合

ペプチド結合はアミノ酸のアミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)による結合です。

アミノ酸
アミノ酸

アミノ酸のペプチド結合によってケラチンタンパク質の主鎖であるポリペプチド鎖ができています。

ペプチド結合は4つの結合の中で最も強い結合です。

シスチン結合

シスチン結合は髪のケラチンタンパク質を構成するアミノ酸の内、最も含有率の高いシスチンの結合です。

4つの結合の中で2番目に強い結合です。

イオン結合

髪のケラチンタンパク質の塩基性アミノ酸の陽イオン(NH3+)と酸性アミノ酸の陰イオン(COO-)間の静電気力による結合です。

髪のpHが4.5~5.5の弱酸性の時に+、-の電荷が等しくなりイオン結合が最も安定します。

髪のpHがアルカリ性に傾くと結合が切断され、髪の傷みにつながります。

水素結合

水素結合は髪のケラチンタンパク質を構成するアミノ酸の内、少しマイナスに帯電した酸素原子(O)と少しプラスに帯電した水素原子(H)間の極性引力による結合です。

水素結合は4つの結合の中で最も弱い結合です。

水素結合は水によって簡単に結合が切れてしまい乾燥すると再び結合が形成します。

そのため、髪は乾く途中で形が決まります。

物質を構成している最小の粒子を原子と言います。

原子
原子の構造

原子を構成する粒子の内、マイナスの電気を持つ粒子を電子と言います。

原子によって電子を引き寄せる力が決まっており、その強さの程度を表した値を電気陰性度と言います。

水素原子(H)の電気陰性度は2.2、酸素原子(O)の電気陰性度は3.44です。

この電気陰性度の違いから、髪のケラチンタンパク質を構成するアミノ酸の酸素原子(O)は少しマイナスに帯電しており、水素原子(H)は少しプラスに帯電しています。

分子内で電荷に隔たりがあることを極性と言います。

分子は物質の性質を表す最小単位の粒子です。

水は水素原子(H)と酸素原子(O)の電子が相互作用することで結合し、水分子として存在しています。

水の構造は以下の図の通りです。

 

水分子

 

水分子のOは少しマイナスに帯電しており、水分子のHは少しプラスに帯電しています。

水は上記の通り分子内で電荷に隔たりがあるため、極性分子に分類されます。

極性分子は極性分子同士で引き合う性質があるため、髪が水に濡れると水素結合が切れます。

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